事前知識ゼロで注文住宅に挑む

住友林業で注文住宅を建てました。家づくりの事前勉強もせずに家を建てた記録です。

事前知識ゼロで注文住宅に挑む

エネファームと太陽光のダブル発電なら引き渡し直後にやるべきこと

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最近引き渡しを受けた方と会話していたところ、エネファームと太陽光のダブル発電による売電開始前にやっておくべき設定をやっておらず、光熱費の無駄を生んでいる可能性があることが発覚しました。

私は引き渡しを受けてしばらくした頃に無駄遣いの可能性に気づいて設定を変えたのですが、確かに誰にも教えてもらえないと気づかずにズルズルとお金を垂れ流してしまうことになりかねないですね。

新居に移って最初の数か月は色々と物入りでお金もかかりますので、このような無駄は少しでも減らしたいものです。

そこで、今回は我が家が行った小さな節約術を御紹介致します。

尚、素人考えの御紹介ですので、認識間違いや推奨できない設定を含んでいる可能性がありますこと予めご承知置き下さい。

エネファームとは

最初に、この話はエネファームと太陽光のダブル発電を導入されている方にのみ当てはまるお話です。

太陽光発電はもっとも有名な再生可能エネルギー発電であり、また政府や地方自治体の後押しもあって屋根の上にキラキラと輝く太陽光パネルは多くの戸建て住宅に搭載されています。

一方でエネファームは太陽光発電ほど普及していませんが、ガサツに一言で言ってしまうと発電のできるガス給湯器です。

ガス給湯器ですのでオール電化の家には使えません。

プロパンガスでも使えるようですが、プロパンガス自体の価格が都市ガスと比較すると非常に割高なためプロパンガスの家庭への導入はあまりお勧めできません。

従い、実質的に東京ガスや大阪ガスなどの都市ガスの供給エリアでの利用に限られてしまう点で、田舎の田園地帯でも深い山の奥でも設置できる太陽光パネルに比べてマイナーな存在なのでしょうね。

エネファームの発電の仕組みについては以下のリンク先で詳しく書いてありますが、お湯を沸かすときに使うガスの中の酸素と水素を掛け合わせて電気と水を作り出す、まさに水の電気分解の真逆のことを行っているのです。
(この時にできる水を再利用せず排水してしまっているのが残念ですが。)

このような仕組みを燃料電池と言い、エネファームは別名家庭用燃料電池と呼ばれています。

そう、トヨタの燃料電池車MIRAIの発電と同じ技術なのです。

事実、2021年9月現在でエネファームのメーカーはトヨタ系列会社のAISINに加えてPanasonic京セラの3社であり、エネファーム開発の中心にはトヨタの存在があるのです。

www.gas.or.jp

エネファームと太陽光のダブル発電とは

では、ダブル発電とは何かというと、その名の通り1軒の家にエネファームと太陽光発電システムの2つの発電システムを同居させ、その両方から電気を取り入れるシステムのことです。

この発電システム最大のメリットは、24時間自家発電を可能にすることにあります。

太陽光発電システムはその名前の通り太陽が出ているときしか発電できません。

しかし、我々の暮らしの中で本当に電気が必要なのは太陽の出ていない雨や雪の日や夜間ではないでしょうか?

雨の日は部屋干しのために除湿器を動かしたり、雪の降るほど寒い夜は暖房をしっかり入れたり、あたたかい食べ物飲み物を作るためにIHクッキングヒーターや電子レンジなどを使ったりしませんか?

平時なら電気を購入すればいいですが、もし災害などで夜に停電が発生した時は、LEDの天井照明さえつきません。

ところが、もし地震などでガスが止まっていることでもなければ、エネファームが最低限の日常生活を送るのには十分な電力を供給してくれます。

平時には、エネファームの発電を利用することで電力会社からの買電を抑えることができます。

もちろん、エネファームが発電している間は四六時中ガスを購入していることになりますが、東京ガスなどにはエネファーム専用の割安プランがあるのでトータルの光熱費として得をすることになります。

そして何より、我が国の発電は火力発電に大いに頼っているため量にCO2を排出していますが、エネファームでの発電はH2とO2を利用した発電なのでC、つまり炭素を排出しないカーボンニュートラルな発電方法なのです。

エネファーム発電分は売電できない

さて、太陽光発電システムを導入すると自宅の屋根で発電した電気を売電することができます。

太陽光発電パネルを載せれば載せるほど売電量、そして売電収益も期待できますので、ひとたび太陽光発電を導入すると決めると投資目線でとことん多くの太陽光パネルを載せる方がほとんどです。

ZEH (Zero Energy House)という制度もあり、電気を自給自足できるだけの太陽光パネルの設置と断熱性の確保は、今や新築住宅として最低限レベルとなっています。

このような家では晴れた昼間は太陽光発電により自家消費するに十二分な電力を創出し、自家消費した分以上のものは売電しています。

実は、エネファームも家1件でそれなりに生活するのに十分な電力を作ることができます。

事実、我が家はエアコンをガンガン使ってる真夏でもない限りは夜間電力をエネファーム発電でほとんど賄えており、IHクッキングヒーターを使うときなどに瞬間的にエネファーム発電量を超えて電力会社から電気を購入することとなります。

そして、エネファームが発電するのは夜間とは限りません。

昼間も大いに発電することができます。

なので昼間外出していて家の中で全然電気を使わないときにエネファームが発電していたら、エネファームの発電量が自家消費需要を超える可能性があると思いますよね?

残念ながらエネファームの発電量は自家消費量を超えることはありません。

コンピュータでエネファーム発電量が自家消費量を超えないように常にコントロールしているのです。

では昼間のエネファーム発電は無駄なのでしょうか?

たとえ昼間在宅していなくても冷蔵庫は動いていますし、今の家では24時間換気システムやHEMSなどが四六時中電気を使っています。

これらの自家消費分はエネファーム発電で賄い、太陽光発電分を100%売電に回すことで売電収益を最大化することを期待できます。

FIT売電の買取認定まで電気は売れない

ここまでご覧になっていて気づいた方もいらっしゃるかもしれません、「昼間、自家消費分をエネファームで賄った場合、太陽光発電は100%売電に回せる」ということが成立しない時期があることを。

キーワードは売電開始時期ガスです。

売電できるのは、経済産業省に固定価格買取制度(FIT)の申請をして、自宅が再生可能エネルギー発電事業所として認定されたときが開始時点なのです。

家を建ててすぐに売電収入が始まると思っていると、大間違いです。

経済産業省に申請をしてから認定を受けるまでには数か月かかることがあります。

我が家も事実、引き渡しを受けてから2か月ほど経って認定を受け、その翌月に初めて売電収入が発生したのです。

pertamahouse.hatenablog.jp

上の記事ではさらっとしか書いていませんが、発電事業者として承認を受けるまでの間は自家消費分を超えた電気は1円にもなりません。

一方、エネファームで発電するには都市ガスを購入する必要があります。

つまり、昼間にエネファームで自家消費電力を賄いながら買い取ってくれない電力を垂れ流す行為は、本来太陽光によってタダで作り出したエネルギーがあるにもかかわらずわざわざガスを購入して電気を作り出しているということなのです。

ガス代が無駄と感じますよね。

太陽光で発電した電力を買い取ってもらえるようになるまでは昼間のエネファーム発電は止めることも有りだと感じました。

※停電時対応をメインに考える場合、停電時にエネファームが動いていない場合発電開始しませんので常にエネファーム稼働させることをお勧め致します。

昼間のエネファーム発電を止める方法

ここからは、我が家に導入しているPanasonicのエネファーム設定を前提に記載いたします。
もし京セラやAISINのエネファームを使用している場合や、我が家と同じPanasonicでも異なる室内リモコンを使用している場合は設定が異なる可能性があります。

エネファームには発電設定を変えることのできる機能が備わっていますが、通常時は過去の給湯機能使用実績をもとに最適なタイミングで自動的に発電するように設定します。

この設定を、【1】日没後にのみ発電を行うように設定すること、もしくは【2】昼間太陽の上っている時間帯は発電しないように、逆に言うと太陽のない時間帯のみ発電を行うように設定することによって、昼間の無駄なガス利用を止めることができます。

設定は室内側のエネファームリモコンから簡単に行うことができます。

以下、我が家は夜間の室内照明を暗めにしているため写真が暗いのですが我が家のリモコンで実際に操作してみました。

【1】日没後にのみ発電を行うように設定する方法

①エネファームリモコンの発電設定ボタンを押します。
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(左側の0.45kWがエネファームから供給されてる電力です。)

②発電設定画面で「予約発電」を選択します。
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③発電をさせたい時間を選んで「確定」を押します。
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これで、選択した時間帯のみ発電を行うようになります。

なお、この設定はこの時間帯にエネファームが必要と感じたら発電を行うことができるというものであり、この時間になったら必ず発電を行うと確約するものではないことご承知置き下さい。

【2】昼間太陽の上ってる時間帯は発電しないように設定する方法

①エネファームリモコンの発電設定ボタンを押します。
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②発電設定画面で「発電おやすみ設定」を選択します。
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③発電をさせない時間を選んで「確定」を押します。
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これで、選択した時間帯はエネファームが発電を休止してくれます。

こちらの場合も、発電しないと設定した時間帯以外に必ず常に発電することを確約するものでは御座いません。

我が家がFIT開始までの間行った設定

上の画像を見れば想像がつくと思いますが、我が家の場合は【1】日没後にのみ発電を行うように設定を選んでいました。

その理由は、結局給湯器のお湯を最も使う時間帯はお風呂にお湯を張る時間帯であり、その時に必要なお湯を沸かすときにエネファームの発電を利用することはメリットだが、もしお風呂にお湯を張った後にお湯を大量に作られても昼間結局発電を止めてるからせっかく作ったお湯が冷めてしまうのではないか?という疑問によるものです。
(実際のところ冷めてしまうのかは不明です。)

いずれにせよ、FIT開始までの少しの間、昼間の無駄な発電を止めることが出来ると僅かながらも節約になるかと思い私のやったことを御紹介致しました。

冒頭でも申し上げました通り、本件は素人考えでの設定ですので、あくまでも設定は自己責任で行ってください。

 

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