未曾有の大雨により様々なところで土砂崩れや浸水の被害が出ているとニュースを見て、思い出したことがあります。
家づくりを考え始めて間もない頃のことでした。
気に入った土地は土砂災害警戒区域
初期の記事に書いているのですが、我が家が家づくりに興味を抱いたのは、良くしてくれていた不動産屋さんが激安の土地を売りに出していた事でした。
南側が開けた崖の上で、崖の下とは4mほどの高低差が有りました。
激安の理由は主に以下の3点でした。
- 崖を擁壁で保護する必要がある。(いわゆる崖条例の影響。)
- 下の土地との境界が曖昧で擁壁を下の土地の所有者がつくるか上の土地の所有者がつくるかで長年揉めてる。
- 土地の中でも道路側と崖側で斜めになっており、整地が必要。
しかし不動産屋の社長もタヌキ親父で、2つめの理由は隠されてました。
2つ目の理由が明らかになったのは、家の近所の別の不動産屋さんと話をしている時にたまたまこの土地の話となり、下側の土地がこちらの不動産屋さんのお客さんだった事で判明したのです。
このタヌキ親父め!とタヌキ親父に言ったら、あっけらかんとしてましたからねぇ。。。
それでも住友林業にお願いしてこの土地の調査をして貰ったのですが、そのときに自分でも近隣のハザードマップを確認していて気づいたのですよ、その土地が土砂災害警戒区域に被っている事を。
それこそ、真っ先に言えよ!って話ですよね。
その土地の道路を挟んだ向こう側から山が迫り出す格好になってたのですが、道路及び接道面付近まで土砂崩れ警戒マークが付いていたのです。
如何に良い土地でも、命の危険があるような土地は避けなければなりません。
また、住友林業からは擁壁などを作るのには2,000万円はかかると言われたこともあり件の土地は諦めました。
タヌキ親父曰く、自身のネットワークで擁壁を作れば住友林業の半額くらいで出来るよ〜、と先日タヌキ親父のお店にお茶を飲みに行ったときにも土木屋さんの見積書と図面を見せてくれました。
そうです、あれから約2年、この土地は未だに売れてません。
コロナ禍による郊外の建築ブームにもかかわらず、もはや問い合わせも来ないようです。
勧められた土地は浸水区域
タヌキ親父の土地の素性が怪しいことから、ハウスメーカーと話す中で別の土地も探していました。
最終的には痺れをきらしたハウスメーカーからいっそのこと地上げしましょうか?という穏やかでない御提案をして下さったこともありましたが、そこに至る以前の話です。
レインズに出ているような土地情報はハウスメーカーから提案受けてもどれも微妙なものばかりで却下してました。
そんな折に、とあるハウスメーカーの営業マンから、少し希望とは異なるかもしれませんが、と紹介して下さった土地がありました。
それは、とある行政区の公売物件であり、正直最寄り駅で降りたこともないほどエリア的にはあまり馴染みのない所でした。
そこで地図やらGoogle earthやらを見て調べていると、少し離れたところにある川の存在が気になりました。
念のためその行政区のハザードマップを開いてみると、見事に河川氾濫による浸水想定区域に入ってました。
営業マンにその旨を伝えると、驚きの返答が返ってきました。
ええ、この辺りはだいたい浸水想定区域になります。けど、60cmくらいなのでウチの基礎の高さを考えたら大丈夫ですよ。
細かい言葉は異なるかもしれませんが、このようなニュアンスのことを言われました。
ないわ・・・
もちろん、妻により秒殺となりました。
確かに我が家の希望エリアよりは少し都会寄りのエリアであったこともあるのですが、浸水想定でも土地の値段も決して安くはなかったんですよね。
尚、現在では法律が変わり不動産取引時に水害ハザードマップにかかる場合は重要事項説明の中で行う義務が不動産業者に課されました。
ただ、重説って契約書にサインをする直前に行われれるものなんですよね。
物件紹介をするだけの段階では説明の義務は無いようにも読めますが、実際はどうなっているのでしょうね。
いずれにせよ、買主の側も積極的に当該エリアのハザードマップは確認した方が良いでしょうね。
他にも市街化調整区域とか高度地区とか土地の利用に対して色々な制限が掛かっていることを土地購入の最終段階になって知ることも多くあります。
土地の広告には細々とした字で実は重要な内容が書かれていることも多いので、気になる土地の広告はしっかりと一字一句逃さず確認、わからないことは調べることをお勧めします。
ハザードマップにかからない土地を買ったはずが
ところで、ハザードマップは適宜見直しされています。
特に近年は想定外の豪雨などがあり、ハザードマップ作成時の想定雨量や浸水想定エリアの設定が一段と厳しくなっています。
そのため、ハザードマップにかからない土地を買ったはずが、数年後には警戒区域がどんどん自宅に近づいている、もしくはいきなり自宅が警戒区域に入る可能性もあります。
住んでからも適宜ハザードマップの確認をすることをお勧めします。