事前知識ゼロで注文住宅に挑む

住友林業で注文住宅を建てました。家づくりの事前勉強もせずに家を建てた記録です。

事前知識ゼロで注文住宅に挑む

住友林業の断熱レベルってどうなの?

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お馴染みの #家系ブログを盛り上げる会 の皆様の話を見ていると、結構頻繁に「高気密・高断熱」という単語が出てきます。
そんなに気密性だの断熱性だのに拘るって、北海道とか寒い所の人かしらと思うと、必ずしもそうでもないのです。
また、ネットを徘徊していると、たまに住友林業の気密性・断熱性は大したことないよ、みたいな話も目にします。

不安だったので、自分なりに調べてみました。

尚、以下全て自分の生活する省エネ基準4以上地域の場合の性能で調べております。

住友林業公式発表

先ずは、住友林業Webサイトの断熱性に関するページを見て見ましょう。

sfc.jp

此方はビッグフレーム工法ではなく在来工法のページですが、記載内容はつい最近までビッグフレーム工法で書かれていたものと同じです。

そして、最近公式サイトデザインが大きく変わって追加された断熱に関するページです。

sfc.jp

此方は1980年頃の家との比較、というかなりセコい見せ方だなぁと正直感じる内容です。

山口百恵がマイクを置いて松田聖子が一躍スターになり始めた頃、40年前の家と比べて進化してる!スゴい!ってなる人いるのでしょうか?

住友林業にはZEH対応のスマートハウスという謳い文句の付いているGreen Smartという商品があります。
因みに、我が家の見積り書にもGreen Smartと書かれておりますが、ZEHの認証は取れませんでした。
設計さん曰く、屋根を大きくして今よりも太陽光パネルをバリバリ載せればZEH認証を取れるらしいです。

sfc.jp

このZEH対応についてのサイトもなかなか甘い言葉ばかりが並んでいて、逆に少し心配してしまうレベルです。

断熱性G1グレードクリア

断熱性についてはUA値の数字やHEAT20など人により様々な基準で見ているようですが、住友林業で出しているのはUA値の表記のみです。
G1とかG2とかで書くHEAT20のグレード表記には一切馴染みがありません。

なので、Twitterなどで断熱性能の話が出ているときにG1やG2と書いている人が居ても何のことやらさっぱりわかりませんでした。

どうやらHEAT20を使うとUA値の数字よりも直感的にその家の断熱レベルが高いのか低いのかがわかるようで、住友林業のレベルもUA値をもとにこれに当てはめることができそうです。

www.heat20.jp

自分の手計算なので間違っているかもしれませんが、HEAT20の最高はG2ランクですが、住友林業はその下のG1グレード、政府の定める省エネ基準を余裕で超えているけど最高レベルには至らないレベルに当てはまりました。
平たく言えば、メチャメチャ凄くはないけど、普通に暮らすには十分な断熱性能はあるということでしょうね。

比較基準が色々あって難しいのですが、どうやら東京で北海道の普通の家の断熱性能は確保されていると言えるくらいだと思います。

気密性は多分凄く高い方ではない

住友林業のウリのビッグフレーム工法による大開口で広々の間取りというコンセプトは高気密・高断熱の敵です。
窓は壁より熱を通しやすいので、どんなにいい窓でもサイズが大きいと外気の暑い・寒いの影響を受けます。
我が家の建築に当たっては住友林業標準の樹脂アルミサッシよりも断熱性に優れた樹脂サッシの検討もしましたが、我が家のリビングに取り付けた幅3mの窓に合う樹脂サッシはサッシメーカーにもラインナップされていないとのことでした。

つまり、そんなデカい窓付けて断熱性なんか求めるな、ということですね。

以前我が家の間取りでZEH+を取れるのか検証をして貰ったのですが、その時に設計さんからは太陽光をバリバリ載せても気密性の面でムリと言われました。(細かいことは忘れました。)

正直、高気密・高断熱を狙うならすみりんよりも他社の方がいいんじゃない?って思います。
これは、嫌味とかそういうのではなく、各社ウリにしている性能や特色があって、住友林業は必ずしもそこにプライオリティを置いているハウスメーカーではないという意味です。
個人的な印象ですが、どちらかと言うと「間取りの自由度」ですとか「上質な空間設計」などにプライオリティを置いていて、気密性やら断熱性はそれなりのものを確保しておくのでグチャグチャ言わずに黙ってついて来い系かなぁと。

事実、今までの打ち合わせで気密性・断熱性に関わる数値は一切触れられていません
ZEHの話を此方から持ち出した時に、はじめて出てきた程度です。

しかし、だから寒いってことはなくて、ちゃんとある程度考えてくれていますし、建設現場を見学していると断熱材はしっかりと隙間なくピッチリ入っているのを確認できました。

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この辺の施工は流石住友林業だと思いましたよ。
断熱材の施工をネチネチ言うのをある意味楽しみにしてたのに、完全に拍子抜けしましたから。

気密性・断熱性は数字でアピールしやすい

以下は個人的な考えです。

各社、自社専用設計の免震ダンパーなど構造面で自社の特色を出そうとすると研究開発に相当な費用と工数が掛かります。

しかし、断熱性や気密性については良い素材をバリバリ使って職人さんが断熱材をピッチリ隙間なく入れて、あとは窓などを小さくするor 無くせば結構いい数字が出ると思います。

また、構造の違いはなかなか数値化できませんが、気密性や断熱性は数値化できるので差別化しやすいです。
各社とも特色としてアピールしやすいのです。
加えて断熱材を隙間なく敷き詰めることが出来る丁寧な施工や、隙間を生まない高レベルな職人さんの確保と管理が出来ているアピールにもつながります。

正直その数字の良し悪しなんか私のようなズブの素人にはわかりませんし、過剰スペックなのかどうかも分かりません。
しかし、スカスカ断熱材の写真とみっちり断熱材の写真を見せられてウチはこれだけ丁寧な施工ですよ、なんて説明されたら一発でわかりますよね。
なので本当に高気密高断熱の施工を長年維持できているメーカーは結構すごいと思います。

気密や断熱の重要性についての認知度

残念なのは気密性や断熱性の重要度ってあまり一般的ではないんですよね。

それはTVで嫌になるほど目にする大手ハウスメーカーのCMの中で断熱性や気密性のアピールはほとんど無いことが一因ではないでしょうか。

事実、私も家づくりの打ち合わせをしている中で気密性や断熱性は大して重要視していませんでした。

冬は結構寒いエリアだからあったかくしてほしいなぁ、でも住友林業の公式ページを見るとそこそこあったかい仕様なんだろうなぁ、程度ですよ。
むしろ貧乏な我が家が住友林業でウチ建てられるんだ、すげぇ!の方が断然勝っていましたよ。

しかし、ひとたび家づくり系のネットの海に飛び込むと、高気密や高断熱という言葉であふれかえっていたのです。
正直周りが何を言っているのか理解不能でカルチャーショックでした。

それでも、思ったのですよ。
伝説のリフォーム番組ビフォーアフターで取り壊される古い家には断熱材なんか全く有りませんが、新しい家に断熱材が入ってポカポカというアピールが毎回必ず入っていました。
そこでなんとなく断熱材が重要って言うことはわかっていました。
が、テレビを見ながら断熱材の違いも何も気にしていませんでした。

多分一般の認識ってこの程度ではないでしょうか。

東京でシベリア級の寒さにも耐えられる家が出来ます!って言われても、「すごいねー、でもウチ東京だし、雪も年に数回降るかどうか程度だし」レベルなんですよね。

秋が深まり冬が近づく今日この頃感じます。

朝布団から抜け出すのに勇気が要らない1年じゅう5月の陽気に包まれた家だったら、快適な暮らしが出来るかもしれない。

でも、その魅力よりも大開口から吹き抜ける風などのイメージに負けるんだよなぁ。。。

後日談:実際住んでみて

後日談として、実際に住んでみてどう感じたか、入居直後の率直な感想を書きました。

ぜひ、以下リンクからご覧ください。

pertamahouse.hatenablog.jp

 

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