この度無事に住宅ローンの第1回支払いが行われました。
いよいよ我が家は35年間の果たしないローン街道を歩むこととなったのです。
アパートの家賃からは解放されましたが、それ以上に重くのしかかる金額の住宅ローンです。
しかし、思い返せば私が住宅ローンの審査に通ったのは、まだ転職して1年も経っていない頃でした。
所得ゼロからの家づくり
プロローグにも書いたように、私の家づくりは転職後1年経たずにスタートしています。
もっと言えば、1年前は日本での所得はゼロでした。
マイナンバー制度が始まる以前から海外に長く住んでおり、住民票は日本に無く日本で何か事業をやっていたわけでもありませんでした。
2019年4月に日本企業の海外法人での仕事を終え、逃げるように日本に帰国しました。
もう何年も見ていなかった桜の花に感動した帰国の瞬間でした。
翌5月から日本での勤務を開始しました。
転職前の仕事と転職先の関係
実は私の海外生活は駐在ではありませんで、現地にある日系企業の現地社員として働いていました。
そして、日本に帰ってきたのはその日系企業グループ内での転籍ではありません。
全く違うグループの企業に転職しました。むしろ敵に寝返ったという言葉の方が適切かもしれません。
辞める時には相当言われましたよ。
-----回想-----
社長室に呼び出された時のこと。
「お前、ウチ辞めてどこに行くんだ?先に相談してくれたらウチの本体は無理でも関連企業に話を通してやることもできたんだぞ」
「(そこの企業文化が嫌だから)よその会社にしました。」
「まさか、(最近グループ企業と手を組んだ)A社か?」
「(最終面接で外国人役員とソリが合わず落ちたから)違います」
「では(本体が出資している)B社か?」
「(内定貰ったけど向こうの態度が気に喰わず)違います」
「お前、まさかウチの最大のライバル、C社じゃないだろうな?」
「うん、そこだよー」
「テメェ、よりにもよって。。。まぁ、あそこならちゃんとしている会社だろうな。でもCに行くとはな。。。頭の中にある知識を消せとは言わんがPCからデータ抜いたらしてたら承知しないからな、全部分かるからな!」
「はーい。(リスク冒してまで抜く価値あるデータ触らせてないくせに何を言うか。)」
-----回想終わり-----
と、いうことでしたが、最後は空港近くの食事処で見送りパーティ、社長含めて同僚の皆さんから盛大に胴上げされて帰国してきたのですが、その後の交流はとてもとても顔を合わせてやれるようなものではありません。
ローンは組めるのか?
日本で真面目に前職の機密情報漏洩もせずに勤務して半年ほど、海外勤務で蓄えたお金もありますし、今度の転職先は基本的に国内で転居を伴う転勤の恐れは小さい会社であり、定住にむけた条件は揃いつつありました。
にわかに家づくりの機運が高まり、ハウスメーカーの選定を行いつつ土地探しも行いましたが目ぼしい土地がなかなか見当たらずに悶々としていました。
しかし2020年1月、ついに目ぼしい土地が出てきたのです。
それと同時に慌しくローンの話も進みます。
が、ここでひとつ大きな気掛かりがありました。
この時点で日本帰国からまだ1年経ってません。
勿論今の会社の在籍期間も半年とちょっとだけです。
しかし、住友林業の営業マンは冷静に言いました。
「多分、大丈夫です。ウチの提携ローンでやりましょう。市民税の納税証明書を取って来て頂けますか?」
「いや、日本に居なかったので市民税はらってませんけど。」
「では、今の会社の給与証明をもらって下さい。ローン会社の定型書式があるので、人事・総務の方に記入してもらって下さい。
それと、前の会社の在籍証明も入手して下さい。空白期間が1ヶ月もないことを証明できれば有利に働きます。」
慌てて書類を準備しました。
幸い前職の在籍証明は現在の会社に入社した際に社会保険の手続きをするために求められた為恥を承知で依頼し、海を越えて原本を送付してもらいました。
一方、現職の給与証明は人事担当者に「忙しいのに云々」と文句を言われながらなんとか入手しました。
次回打ち合わせ時に営業マンに手渡したところ、すぐに返事が来ました。
「ローンの仮審査通りました。大丈夫ですよ。」
驚きました。
本当に、ローンを組めました。
そして、営業マンには我が家の財布の中身は丸裸にされました。
これが限界ギリギリローンで無理矢理住友林業の家を買う物語の始まりです。