家系ブロガーをやってる方の多くは、かつての自分のような失敗をこれから家を建てる人にはしてほしくない、自分の家を自慢したい、単なる忘備録、などなどいろいろな志を持っていらっしゃいますが、自分の場合は全てが当てはまるように感じます。
そしてついに世界で唯一無二の家ができて1年以上住んだ今、自宅を少し離れている今、家を建てる前の自分が悩んでGoogleで連日検索していた疑問点に対する回答を書いてみるシリーズをやりたいと思います。
今回は、我が家が採用した住友林業の床材それぞれについて、実際に住んで触れてみた感想です。
メイン床材はウォルナット挽板
2020年に住友林業で2階建て28坪の2人暮らしハウスを立てました。
住友林業の床材と触れ合った中で気に入ったのは、チークとウォルナットでした。
それまで住んでいたアパートが白い床でゴミが目立っていた為、濃い色の床にしたいという気持ちが強かったところに、展示場のウォルナット床が高級感にあふれていて一瞬で恋に落ちました。
なので、メイン床材はウォルナットですぐに決まりました。
玄関から伸びる廊下、そしてLDKはウォルナットの挽板にしました。
実際に住んでみて感じるのはあふれ出す高級感のある空間演出です。
とくにLDKは床の面積が大きいので、床の色が濃い目で締まっていると空間全体がどことなく高級感のある色合いになりますよね。
個人的にここ数年ウォルナットの床が流行っている背景には、高級感の演出が比較的容易にできる点があると感じています。
挽板のメリット
挽板は施工した雰囲気は無垢材に結構似ているのですが、無垢材の床は1枚の木の板でできているのに対し、挽板は合板の土台に鋸で挽いた薄い無垢材が載っています。
上の写真は、我が家の床に大きな傷ができてしまったときに板の1枚のみを補修して頂いた時の写真です。
薄い無垢材を剥いで合板の土台が剥き出しになった瞬間なのですが、挽板の構造がわかりやすいですよね。
さて、挽板を導入して良かったと感じたメリットは主に4点あります。
ひとつめは、床暖房に対応できることです。
床暖房は非常に高温になりますので床暖房器具の真上に自然素材の無垢板を敷いた場合、割れや反りの原因となる可能性があります。
一方で挽板の場合は土台の合板部が床暖房器具と接するため、無垢床よりも暖房器具の熱の影響を直接的に受けず、割れや反りのリスクが比較的小さいのです。
そのため、我が家はリビングに床暖房を入れたいと伝えた段階で、LDKの床材は挽板に決定しました。
廊下もそれに合わせて挽板にしました。
ふたつめは、足の触り心地が良いことです。
住宅展示場などで無垢の床材をはだしで踏んだことのある方は、しっとりと足になじむ感触に驚く方も多いのではないでしょうか。
注文住宅営業マンの中にも、絶対無垢床派の方もいらっしゃるようです。
しかし、上述の床暖房設置の要望などがありどうしても無垢を入れられない、けどやわらかな触感が欲しい場合、この挽板がオススメとなるのです。
無垢板は床材の厚み6mmすべてが自然のクッションですが、挽板は下半分が合板の為無垢板ほどのクッション性はないのですが、それでも後述の突板よりも全然クッション性が高く足にしっとりと馴染む感覚を味わえます。
事実、夏場は裸足で歩くととても気持ちのいい床です。
(けど皮脂汚れでたいへんなことになります。)
このやわらかい床でゴロゴロするのは最高ですよ!
3つ目は自然由来の高級感です。
挽板の見た目はパッと見た感じでは無垢材と変わらないです。
つまり、無垢の床の高級感をそのまま味わうことができます。
4つめは無垢板よりも板の隙間にゴミが挟まるリスクが小さいことです。
無垢板は自然の板なので、季節によって多少伸び縮みします。
そのため施工で張り合わせたときに、板と板の間のギャップが少し広くなっています。
挽板も上の写真をご覧いただくとわかりますが、板と板の間には溝がありますが、あまり深くなくルンバを走らせることで溝の中のごみも取り出すことができています。
(けどルンバが溝を通るたびにガツガツ少しうるさいです。)
無垢床を選んだ諸先輩方のブログで、とくに小さなお子様がいると食べこぼしが床の隙間に挟まってしまった、といった声があったのは、家全体で無垢を避ける理由の一つにしたほど印象的でしたね。
ウォルナット挽板は色あせする
これはこの床材を選んだ時からずっと言われていたことですが、たしかに1年住んだだけでも日光の当たるところと当たらないところの色合いがかなり異なるようになってきました。
ウォルナットが日焼けすると黄色っぽくなる特徴があると言われていたのですが、その言葉の通りよく日の当たるところは1年経つ前から黄色っぽく色が薄くなってきており、あまり直射日光に照らされないところはもとの濃い色のままを保っています。
色あせているといっても退色の仕方が非常にナチュラルであり別に空間の中に居て違和感を抱くレベルではありません。
気にしてみたらだいぶ色あせているなぁと感じる程度です。
リビングの南側に広がる大きな窓から降り注ぐサンサンの光のエリアだけでなく、東側の縦長の縦辷り出し窓から入る光だけでも十分に色あせに影響が出ていることには驚きました。
なお、ウォルナットは日焼けによる色の変化が比較的大きな部類の木材とのことですが、ほかのものを選んでも日焼けによる色の変化(濃くなるものもあるらしいです。)はありますので、どんな木の床であっても日当たりの良いところに家具を置く場合は将来的に色むらが出る可能性があります。
キッチン床に採用すると汚れが目立った
入居してしばらくはキッチンマットも敷かずに過ごしていました。
キッチンではシンクで洗い物をして手を拭こうとしたら水しぶきは飛ぶし揚げ物をすれば油も飛ぶし、たまにドジして卵の殻を落としたり、いろいろと床を汚す機会が多い場所です。
そしてウォルナット挽板をきれいに保つには、水汚れはすぐにふき取ることが必須とされています。
嫌になってキッチンマットを敷きました。
この後はキッチンの床はキレイな状態を維持できています。
もっと早くキッチンマットを導入するか、キッチンだけはもっとラクに掃除できるような床にした方が実用的だと感じました。
もちろんキッチンとリビング・ダイニングが同じ床材で一直線であることから一体感があるLDKを演出できているメリットを優先して採用したのですけどね。
寝室はウォルナット突板
我が家には主寝室とゲスト用の寝室の2つの寝室がありますが、いずれもウォルナット突板を採用しました。
突板は、挽板と同じく合板の上に木の板を貼っているのですが、挽板と異なり合板の厚みがほとんどを占めています。
とは言っても表皮は本物の木を使っているので、アパートなどのいわゆるフローリング材と比べると触り心地が良いです。
挽板のような溝はとても細いので、掃除機をかけても引っかかる感じもないし挽板のようにカタカタと溝にはまる音もしません。
さて、寝室にメイン床材と同じウォルナットを採用したことで、寝室と廊下の間の扉が開いている状態でも空間の一体感を演出することができています。
また、寝室を濃い色の床にして良かったと感じるのは落ち着きです。
壁紙もLDKなどと比べて1トーン暗めのものを選んでいるのですが、空間の色遣いがどっしりとすることで深いリラクゼーション効果を得ることができる、ような気がしています。
寝室の照明もかなり暗くしているので、眠くなって寝室に入ったらそのままストンと眠りに落ちることができます。
ただ1点、あえて書くならこの色の濃い床は髪の毛など色の濃いゴミは目立たないのですが、埃などの白っぽい汚れは苦手にしてますね。
下の写真は洗濯物を部屋干しした後のウォルナットの床なのですが、細かな埃、糸くずが落ちてしまっているのがおわかりいただけます。
写真ではこの程度なのですけどね、実際に明るいところで目にすると結構気になるものです。
とくに太陽が差し込んだりすると、床も良い色に発色するんですけど埃などが光に反射してとっても汚れているアピールを始めます。
書斎はチェリー突板
書斎及び妻のユーティリティースペース(と言いながら実質パントリー)の床は、ウォルナットよりも赤みがあって明るいチェリー突板の床にしました。
この色にした理由は、
カワイイ!
という妻の一言、そして仕事部屋たる書斎の性質上落ち着きよりも明るさを重視した点です。
突板の床のメリット
さて、寝室や書斎に突板を使用した理由は、突板が挽板よりも傷つきにくく重たいベッドの上でゴロゴロしたり、重たい机をバンッてやったりしても大丈夫だからです。
そう、突板の床のメリットは突板がほとんど合板でできているため、挽板よりも衝撃に強いことです。
例えば机の上からスマホやリモコンを落とした場合、挽板の床は簡単に凹みます。
そのため、我が家のダイニングテーブルまわりはすでにボコボコになってます。
突板は比較的強いので、リモコンを落とした程度では別に傷になりません。
ひょとしたら傷になってるかもしれないけど、気づかないレベルです。
しかし、いくら突板が衝撃に強いとはいえ表面に薄くスライスした木を貼っているだけですので、その表面をキャスター付きの椅子でガリガリゴリゴリやっていると、もちろん傷になります。
なので、あまりキャスター付きの椅子でガリガリしすぎて目立つ傷をつけないように書斎の床にはフロアマットを敷くようになりました。
そういえば、チェリーの床はウォルナットに比べるとあまりゴミ汚れが目立たず気にならないですね。
在宅勤務で毎日長時間使用していて、さらにパソコンが床に近いところでうなり声をあげてファンを回しているのでそれなりに汚れやすい環境のはずなのですが、あまり汚れが目に留まらず、それでも定期的に掃除機をかけたら意外と掃除機のゴミセンサーが延々と反応していることが多いです。
水回りはサニタリーフロア
ウォルナット
2階の洗面台及びトイレはウォルナットのサニタリーフロアを選びました。
このウォルナットサニタリーフロアの最大の特徴は、一体感です。
LDKのウォルナット挽板と色味がほぼ同じため、まったく違和感がありません。
足でさわった感触も意識していなければ別に何も感じないです。
サニタリーフロアは水汚れに強いので、洗面所でバシャバシャ水を飛ばして少し放置していても軽く拭くだけでキレイになるのですが、ウォルナットの濃い茶色なので結構水しぶきが飛んだあとが目立ってしまいます。
目立たぬよう、マットを敷いて対策した方がよさそうですね。
セルベジャンテ
1階のトイレの床はセルベジャンテを選びました。
2階のトイレに比べて幅が狭い為、濃い色の床で壁紙も濃い色だと結構圧迫感があったかもしれませんが、セルベジャンテは白に近い色なので圧迫感を感じることは有りません。
トイレの床なので汚れを気にする方もいるでしょうが、1年間住んだ限りではトイレ特有の汚れは特にありませんでした。
ただ、同じ白色の巾木に埃がたまっているのは少し目立つ感じがありますので、気になる方はマスキングテープでケアする、細目にチョチョイと掃除するなどの対応を取った方がよいかと思います。
トイレの埃は、衣類の上げ下げに伴うものに加えて、トイレットペーパーを切った時の繊維片もかなり飛んでいるようです。
なので、金属のペーパーカッターにも細かな埃が目立ちますね。
白系のプラスチックのペーパーカッターなら色が近いのであまり気にならないかもしれません。
オークピュアホワイト
1階の洗面脱衣室の床はオークピュアホワイトを選びました。
上述のセルベジャンテと同じ白色系で2つの床材の違いがパッと見てあまりわからなかったのですが、よく見たら全然違いました。
ちゃんとこちらは木の雰囲気が出ています。
洗面脱衣室なので、ウォルナットの焦げ茶色の家の中で比較的明るく清潔感重視となるように壁紙も床材も白色の空間にしてみたのですが、その目論見は見事に当たりました。
洗面脱衣室はそんなに広くない、むしろ作業量や収納量的には想定よりもちょっと手狭なくらいなのですが、中で着替えたり洗濯物を出し入れしたりしている分には狭さを感じません。
さて、洗面脱衣所ということで、ここで脱いだり着たり洗濯機の中身を取り出したり、更にはドライヤーで髪を乾かしたり櫛で梳かしたりするわけですが、そうなると埃、毛、様々なものが飛びます。
さらにお風呂の湿気で埃はとても固まりやすいのです。
ツルツルで白い床のせいかこれらの埃や人毛が目立つのです。
特に妻の髪の毛は非常に強く長い為、1本抜けると私の短く弱弱しい頭髪とは比べ物にならないほどの存在感を放ってしまっています。
ここは本当に細目に掃除しないと清潔を保てないエリアですね。
浴室のドアーのくぼみ、タオルラックの上、更にはなぜここについているのか謎な窓の枠など、もはや床の話から完全に脱線していますが、ともかく埃の貯まりやすい場所です。
一方で2階の洗面室で気になっていた水しぶきの汚れは全く目立ちません。
お風呂から出て濡れた体からポタポタと落ちている水の量は2階の洗面台で手をパッパと振った時の量よりも断然多いはずです。
けど、まったく気づかないのですよ。
濃い色と薄い色、一長一短ですね。
床材に後悔なし!
以上、床材から見た我が家の満足度についてご紹介しました。
床材によって目立つ汚れ、目立たぬ汚れ、傷のつきやすさ、見た目のカッコよさやおしゃれ度などなど強み弱みがあることを日々の生活の中で感じ取っていますが、さすがは住友林業、普通にカタログに載っている範囲で選ぶことのできる床材のレベルが段違いにかっこよくて、他のハウスメーカーで同時期に建てた方が我が家に来た時も床の高級感というセリフが出てましたし、戸建てに住んでいない方は猶更です。
我が家は特に冒険しませんでしたが、住友林業の展示場によっては殴り調という凹凸のあるデザインの床材が入っていまして、ちょっと異なるデザインの床を選ぶことができますし、もっといえば住友林業のカタログに載っていない床材も希望次第で入れられると思います。(担当営業さんに確認してください。)
また、床材をそもそも木ではなく汚れに強いタイル敷きなどにする方法もありますね。
様々な床材を見て、家のデザイン方向性や求める機能性をベースに営業さんや設計さんと相談しながら選んでゆけばよいのではないかと感じます。
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