事前知識ゼロで注文住宅に挑む

住友林業で注文住宅を建てました。家づくりの事前勉強もせずに家を建てた記録です。

事前知識ゼロで注文住宅に挑む

施主のマイクロマネジメントは意味あるのか

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思い返せば1年前の今頃、我が家では大工さんが連日トンカントンカンと家を組み上げて下さってて、その作業を毎日見に行ってました。

当時はどちらかというと家づくりというものがどのように進むのかという好奇心や、実際にひとつのモノが組み上がっていく姿を見ることを単に悦びの対象として見ていたようなところがあります。

事実、毎日現場を訪れては図面と見比べてアレが変だコレはどうなってる?なんてことを尋ねるようなことは殆どせず、

コレ付いたんですね。イイですねぇ〜

みたいな会話をしてました。

しかし、ひょっとしたらそれは一歩間違えればマイクロマネジメントになっていたのでは無いのかと感じるようになりました。

マイクロマネジメントとは?

マイクロマネジメントとは、Wikipediaでは以下の通り定義されています。

マイクロマネジメントとは、管理者である上司が部下の業務に強い監督・干渉を行うことで、一般には否定的な意味で用いられる。マイクロマネジメントを行う管理者は、業務のあらゆる手順を監督し、意志決定の一切を部下に任せない。部下の立場から見れば、上司がマイクロマネジメントを行っていると感じられることは多いが、上司がそのことを自覚することは稀であるとされる。対義語は、マクロマネジメント。
(Wikipediaよりコピペ) 

ここでは、施主が現場の施工、設計図面のアレコレなどあらゆる手順や出来上がりに対して小姑が如く事細かに指摘するようなことを指すこととします。

パワハラとは少し異なるかもしれませんが、度を越すあまり施工者さんが嫌がるレベルで細々ネチネチとしたようなものですね。

何故施主は細かく管理したがるのか?

結論から書くと、全ての理由は(一部の富裕層などを除き)殆どの施主にとって家づくりは一生に一度かつ最大の支出であり、不安がいっぱいあることに集約できると思います。

施主は初めて見るn=1の世界で判断することとなるのです。

また、建った後は自分の人生を預ける住処となるので、特に命に関わるも(耐震性や断熱性など)やセンスを問われるもの(デザイン性など)についてはこだわりがたくさん詰まっていることも多く目を光らせてみていると思います。

我々施主は今後数十年にわたる稼ぎから捻出することで、これらこだわりの実現をかなえてもらうのです。

なので、家づくりは他のどんなお買い物よりも非常にナーバスになっています。

それに加えて、家づくりは建築の過程のほぼ全てを施主が見ることができる点で他のお買い物と決定的に異なっています。

日用品や家電、自動車等を買う場合は既に完成した状態のものを購入しますので、我々が判断できるのは目に見える範囲のものに限られます。

しかし、家の場合は工事現場に行けば基礎施工から柱や断熱など出来上がってからでは見えない場所も目にすることとなります。

従い、例えば仮留めの状態なども目にすることになりますので「本当にコレでイイの?」と不安になってしまい施工業者さんに問い合わせるケースも出てきます。

施工者はプロ、だけど人間

方や施工する側は年間何棟も建ててゆきますので、施主と比べると圧倒的に経験値が異なります。

(最近はYouTubeなどで事前に勉強しすぎる施主もいらっしゃるようですが、現地現物の経験には及ばないでしょうね。)

過去の経験から「こうなるものだ」「最終的には見えなくなるし工事の便宜上仕方ないものだ」「こんなのは(我々の世界では)常識だ」と思うことが多くあると思います。

細かいこと言わず任せてくれというのが本音ではないでしょうか。

そこに施主との温度差が生まれてしまい面倒臭がって誠意の欠ける対応をしてしまうと大変です。

施主がやたら事細かくアレが変だコレが思ってたのと違う、お前のところはちゃんとやってるのか?不審だ、よく考えたら値段も高すぎるしボッタクリじゃないのか?長澤まさみにいくら払ってるんだ?なんて言ってこられたら「コイツは何言ってるんだ?」となってしまうことは否定できないでしょう。

しかし、単に「断熱材が少し割れているようですけど大丈夫なのでしょうか?」「柱にくぎ打ち付けて明かり照らしてますが傷は残らないのでしょうか?」などと問い合わせられたときに、ちゃんと施主の不安と向き合った回答をくれれば少しは不安も和らぐのではないでしょうか。

自分の仕事でも、当人としては「こういうものだ」「当たり前や」「こんなことも知らないのか」と思うようなことを社内他部署の人ですら知ってない場面に遭遇することが有ります。

そのときに、「頭悪いのか?」「今まで何を勉強してきたんや?」「常識も知らない人だ」などと思うのか、相手の疑問に対し素直に「説明が足りず申し訳ない、これは〜だ」と説明するのかで全く相手側の印象は異なります。

こと家づくりについて基本的に施主はどんなに偉そうにしてても素人であることが大半ですので、尋ねられた事象については忙しい中とは存じ上げていますがなるべく丁寧に説明してもらいたいですね。

尋ねる側の施主も、一見おかしいなと思えることでも相手はプロですのでマナーを守って問い合わせをしたいものです。

施主もプロも服を脱いだらただの人間、その辺にいる普通のおじさんおばさんです。(失礼)

結局は信頼関係

コミュニケーションよく、過度なマイクロマネジメントにならないようにするにはどうすれば良いでしょうか。

その鍵は、お互い(特に施主から施工者へ)の信頼関係にあると思います。

プロがやってることだから大丈夫だとまるまる信用し切ってしまうことも問題ですが、素人目には変に見えるがプロがやることだから施工がこうなっているのは理由があるはずだ、と感情的に訴えかける前にひと呼吸置き、それから臆せずに気になることを簡潔に尋ねましょう。

気づいたその時点で、話のできる相手にたいしてどんな小さな疑問点でも尋ねたほうが良いです。

その際にはつとめて冷静にマナーを守って尋ねることで、相手も(自分に非がない限りは)嫌な顔はしてこないと思います。

まちがっても最初から怒鳴り付けたりネチネチと過去の話をほじくり返したりするような尋ね方はしてはなりません。

もし本当に怒鳴りつける必要があるような相手であれば、建築する前にお別れしていると思います。

長い時間をかけて打ち合わせをした末に着工合意した相手ですので、信頼して相手の言葉に耳を傾け任せてみましょう。

また、疑問を尋ねるだけじゃなくて、良いと思ったものは良いと伝えて相手のモチベーションを高めるようなコミュニケーションをしてみましょう。

良いと口に出した点は住む上でも記憶の片隅に良かった点として残りますので、建てて良かった、と住んでからも思い続けられる家につながると思います。

結論、施主のマイクロマネジメントはむしろ害だが、気になった点は臆せずに伝えることは重要です。

 

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