4月頭に突如ネット上に「住友林業、住宅の見積書の明細を開示せず不誠実な契約!」という衝撃の記事が現れました。
たしかに住友林業の見積書については私も思うところが有り、家づくり打ち合わせ中には以下のような記事を書いて嘆いていました。
本当に、住友林業の見積書は分かりにくいです。
しかし、今回改めて過去に自分が貰った見積書や契約書を読み返すと、分かりにくいながらもちゃんと書いてることが判明しました。
そこで、今回は我が家の貰った資料をガンガンアップロードしながら我が家の状況を書いてみようと思います。
尚、以下で提示する資料は我が家の検討中のとある段階に於けるものであり、最終仕様のものではございませんこと御留意下さい。
資金計画書
まず、住友林業で家を建てるときは住友林業にのみお金を支払って終わりではありません。
土地を買う場合は土地の仲介業者さんにお支払い、登記を手伝ってくれる司法書士事務所さんにもお支払いが発生します。
そのような諸々の費用も含めて家づくりにかかる費用を網羅的に提示してくれるのが、この資金計画書です。
左側の(A)~(D)が住友林業に対して支払う金額です。
従い、住友林業から見積りの詳細が出てくるのは(A)~(D)の項目までです。
正直、家を1軒建て終わるまでどの項目を誰に払うのか理解できていませんでしたが、それぞれのタイミングで支払いが発生する中で徐々に理解していきました。
気をつけたいのは項目によっては住宅ローンで賄えないこと、ローン実行前に現金での支払いが発生することです。
なので、我が家のように資金に余裕がない場合は、いつどの金額が出ていくのか、住宅ローンはつなぎ融資含めていつ受け取れるのかを時系列で理解する必要があります。
見積書
続いて、住友林業の見積りを見てみましょう。
1ページ目は家本体の仕様について書かれていますね。
2ページ目は資金計画書の(A)~(D)と同じですね。
本体仕様の見積もりは、これで終わりです。
これ以上の詳細の見積書は有りません!
本体仕様概要書
そう思っていたのですが、契約する前の資金計画書を見ると、本体仕様概要書が綴じられていたのを発見しました。
今見たら理解できますが、家の事の全く知識がない、ましてや住友林業の家のことを十分理解していない時に見ても
ハァ・・・フゥン・・・
そういうもんっすか。。。
としか思えず特に気にしていませんでした。
そんな状態で契約する奴が悪いのであると言われても言い訳できませんが、その時はこういう物なのだと思ってましたね。
環境設備工事・提案工事 見積明細書
住友林業の見積りで必ず出てくる単語が有ります。
きこりん税
正式名称は諸経費ですね。
諸経費が出てくるのは提案工事見積書や、環境設備機器工事見積書です。
恐らくこれが住友林業のマージンに当たる部分ですね。
環境設備機器とは、上画像の通り太陽光発電機器の見積りですね。
4行目に書かれている【諸経費】こそ【きこりん税】です。
この言葉のお陰で、私たち夫婦はきこりんのことが大嫌いです(笑)
提案工事見積書は1ページでは収まりませんでした。
2ページ以上に及ぶのは普通の事らしいです。
こうやって見ると、今は付けていない設備がいくつもありますねぇ。
他にもエアコンや水道敷設などの見積り明細もあるのですが、長くなりますし建付は大して変わらないので省略します。
契約書添付書類
ところで、上に載せた本体仕様概要書ですが契約書には添付されていません。
しかし、それでは本体仕様が謎の物体のまま契約書にサインすることととなってしまいます。
もちろんそんなことは無くて契約書には仕様表が添付されています。
仕様表
では、実際の仕様書をご覧ください。
上画像は数ページある仕様書の一部です。
文字がつぶれて読みづらいかもしれませんが、非常に細かくひとつひとつの仕様、部材が書かれています。
けど、本体仕様の見積詳細は無い
このように契約に於いては本体仕様の詳細がしっかりと書かれていますし、契約以前には概要の説明がありました。
従い、例の記事では見積書以外全く何も出てこないような書き方をされていますが、建てるにあたり仕様明細は出ているはずです。
ただ、金額面でのブレークダウンがない点は否定できません。
私は他社の見積書との比較はせず住友林業一本で契約したため、他社がこれ以上のブレークダウンをしているかどうかは存じ上げませんが、住友林業ではこれ以上のブレークダウンが欲しいと言ってもなかなか出ないでしょうね。
本体仕様にかかる部分は坪数含めて着工合意までの間に頻繁に変更したのですが、何がどうなって見積価格が変わったのかは全く分かりませんでした。
坪数変更をしても、記事にあるような単純な坪単価計算などはされておりません。
坪変更をするということは、家の形状が変わることとなり、必要となる外壁面積、屋根面積などが変わります。
外壁施工面積は家の形は正方形に近づけば近づくほど坪数増による面積増は少なく済みます。
そのため、坪数変更による本体価格変更時の増額分を坪数で割って算出した坪単価は毎回異なる数字でした。
地盤改良費の怪
我が家は幸いなことに地盤改良の必要性は無かったのですが、他の施主の方のブログを読んでいると、契約後に地盤調査をすると地盤改良費が発生して数百万円の費用上昇となったという話があります。
住友林業では、本契約前の段階で図面を描いてもらうにはまず5万円を支払うのですが、この5万円を支払った段階で建設予定地の詳細な地盤調査をしてもらうことが出来ます。
他のハウスメーカーと比べても非常に早い段階での地盤調査をしてもらえること、また住友林業との本契約をしない場合でも5万円に加えた費用は請求されないことからあまりにもお得であるとネットで噂になっています。
我が家の場合は、建設予定地の候補が当初から変更になった為、2回も調査して貰いましたが、追加費用は発生しておりません。
この調査では地中を網羅的に調査するわけではないので完全に確認はできないのですが、更地であれば例の記事にあるような大規模な地中構築物は発見可能です。
記事のように古い家屋を解体して建築する場合は家の真下を調査できないので致し方ない感はあります。
結局気になるのは総額
間取り確定までは毎回のように見積りを貰っていましたが、内訳がどうなっているのかという事よりも総額を毎回気にしていました。
結局総額が予算オーバーしていたらどこを削れば良いのか考えるのに内訳が見たくなるのですが、総額が予算内であればうまく調整できているな、程度の認識でした。
そもそもこの記事の施主さんも後から揉めなければ気にしなかったわけですし。
また、坪単価が普通よりも高いのも当たり前でしょうと感じます。
木造2階建てですが一部が地下にあるという表現から、通常の平地に建てる場合と同じ基準で考えるのは如何なものかと感じますね。
従い、例の記事は非常に恣意的なものを感じるものの、内容としては否定しきれないグレーなものを感じています。
住友林業としてもここまで書かれて黙ってやり過ごすことはないと思いますので、事の行く末をぼちぼち見守りたいと思います。
【後日追記】見積もりの明細が出た事例が有りました。
この記事を書き上げた後、本体工事の見積りの内訳を入手された事例があることを知りましたので、ここに追記させて戴きます。
住友林業施主のかなぴさんのブログ記事で本体工事見積もりの内訳が大公開されています!
これまで数々の施主が「本体工事の内訳どないなっとんねん!」と言っていたので内訳は出ないとばかり思っていましたが、出る事もあるのですね・・・驚きました。
かなぴさん、貴重な情報を有難う御座いました。
他ハウスメーカーの事例
他のハウスメーカーの事例について、ヘーベルハウス施主のズブロッカ大佐さんが纏めてくれています。
正直、各社住友林業よりも一つ一つの価格がはっきりと明示されていて分かりやすい印象を受けます。